コストダウンのポイント
一般にアンケート調査のコストダウンは次の方法で行われます。
1.調査項目を減らす
アンケートの質問項目を減らす方法です。これにより入力・集計、グラフ作成、報告書の作成コストを減らすことができます。
もちろん単純に調査項目を減らすと、調査目的を達成できないケースが生じますので計画的に行う必要があります。過去からの継続調査ではほとんど意味をなさないものが残っていたりするので見直すポイントになります。
2.自由回答項目
自由回答項目を減らす
自由回答は、紙のアンケートの場合には入力コストが必要となり割高になりがちです。また回答者にとっても負担になります。この場合、自由回答の内容をできるだけ選択肢化することが必要となります。
自由回答項目の分析を簡略化する
自由回答項目を分類して集計する(アフターコーディング)は、最終的には人が行う作業となります。単純な分類(例:都道府県名)であれば比較的費用は掛かりませんが、意味を読み取って分類するものはポジティブ/ネガティブの2分類でも手間がかかる作業になります。
3.調査方法を検討する
実査方法を変更する
郵送での調査をメール便などにするなどのコストダウンを図ります。また受取人払い郵便をやめて原則としてFAXや電子メールでの回答を取り入れるなどの対応をします。
調査票を利用する場合でも、入力が必要な紙ではなくオンライン調査やExcelを使った調査票とすることも有効です。
調査規模を縮小する
調査対象数を減らすことで、調査コストを下げることが可能です。すべての対象者ではなく、ランダムサンプリングなどで回答者数を減らします。
回収管理/督促を省略する
アンケートの回収数の確認・報告を毎日ではなく週1回程度にまとめてしまうことや、回収率が思わしくない場合の督促を省略する、または自分たちで回答の依頼をすることも有効な方法です。
4.分析・報告書の再検討
集計・分析内容を再検討する
手間ががかる数量を選択肢化することでコストを削減します。例えば年齢については5歳刻みにしてしまい、平均年齢は中間値で計算(例「21-25歳」を”23″として計算)するなどの対応を考えます。また、クロス集計や多変量解析などの分析を省略します。
報告書を簡易なものにする
報告書を記録のみにし、調査概要、集計結果、調査票など必要最小限にします。ある程度分析する場合であっても、過去の比較をやめるなどの方法もあります。
まとめ
アンケート調査は人件費の塊ですので、どうしても費用が嵩む傾向にあります。オンラインアンケートの普及でコストも安くなっていますが、調査企画など専門的な知識やスキルが必要となるところがあります。
アンケート調査はやり直しがききません。安くすればよいのであれば、方法はありますが、調査目的を達成するためには調査企画をしっかりしてコストダウンにつなげることが必要となります。